GMTマスターII Ref.116719BLRO

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約一世紀もの長きに渡って一貫してタフネスと精度の向上を目指し、常に「最新が最良」の神話を守ってきたロレックス。

かつての機械式時計が目指したレベルを思えば、数十年前の段階で充分に完璧といえる時計を実現させていたといえますが、その進化は決して立ち止まることなく、現在ではプロダクトの経年耐性にまで配慮が及ぶようになりました。

そんな現代のロレックスを象徴するもののひとつに、セラミックをベゼルディスクに採用したセラクロムベゼルがあります。

傷つきにくく、褪色しないセラミックは、ベゼルディスクの素材としてまさに理想的なものでした。

しかしその発表当初の2005年の段階では、長年GMTマスターの特徴として世界中で愛されてきた赤と青のツートンカラーをセラミックで再現することは不可能とされていたのです。

まず単一結晶のセラミックを2色に染め分けた前例は無く、更には熱に弱い赤の色素は、セラミック製品の製造工程として不可欠な焼成の際に晒される高温によって、色彩を失ってしまうのです。

しかしロレックスは2013年に黒と青のツートンカラーを、そして2014年には伝統のGMTマスターの配色をセラミックで再現して見せたのです。

しかし2014年にベールを脱いだその新しいGMTマスターは、スチール製ではなく、ホワイトゴールド製であったのです。

誰もが待ち望んでいたスチールモデルには、ベゼルのコスト高が目立ち過ぎて搭載できなかったに違いありません。

このRef.116719BLROの発表と同時期に、これまた独自に赤いセラミックを実現して見せたウブロが、トゥールビヨンの特別なモデルに限定的に採用するにとどまった事実からも、この段階での赤いセラミックの製造コストは相当に割高感のあるものであったことがうかがえます。

それから更に4年が経過した今年、やっとGMTマスターIIのスチールモデルに赤青ベゼルが戻ってきました。

そしてその陰で、初めて赤青ベゼルを実現したこのホワイトゴールドのモデルは、それまでのブラック文字盤からブルー文字盤に変更されたのです。

新しいブルー文字盤のモデルも新たな魅力に満ちていることに違いはありませんが、ホワイトゴールド製の伝統的な配色を持つブラック文字盤のモデルがこのまま消えていくとすれば、これを惜しむ声も今後上がってくるのではと思われます。

今のうちにブラック文字盤のRef.116719BLROを、是非一度ご覧ください。